法人税の申告期限の延長は中小企業も可
- ポイントは定時株主総会の召集時期
平成29年度税制改正において、法人税の確定申告書の提出期限が最大「6ヵ月」まで延長できる見直しが行われる予定だが、その要件の一つに「会計監査人を置いている場合」がある。
国税庁によると、申告期限の延長の特例とは「会計監査人の監査を受けなければならない等の理由により決算が確定しない」場合などが該当する。「会計監査」というと大企業の話かと思いがちだが、監査を受けていない企業でも申告期限の延長申請を行うことができる。
確定申告の延長したい場合には、まず会社の定款を確認する必要がある。定款に「当社の定時株主総会は、毎事業年度終了後3ヵ月以内に召集する」などと定められていれば、申告期限の延長を申請できる。ポイントは、定時株主総会の召集時期が「2ヵ月以内」ではなく「3ヵ月以内」とされていることだ。会社法では、事業年度終了の日から3ヵ月以内に定時株主総会を開けばよいとされている。
法人税の申告期限は原則、事業年度終了後2ヵ月以内と定められているが、事業年度の終了から3ヵ月目に株主総会を行う企業の場合は、通常の申告期限までに法人税の額が確定しないケースがある。そこで、このような企業は「申告期限の延長の特例」の申請を行い、申告期限を1ヵ月延長して申告することができる。この特例を利用すれば、どの企業も申告期限を延長することが可能となる。
仮に定款において定時株主総会の召集時期が「2ヵ月以内」としている場合は、定款を「3ヵ月以内」と変更すれば「申告期限の延長の特例」は申請できる。
注意が必要なのは、申告期限の延長を行っても、納付期限は延長できないため、2ヵ月のままである。納付期限が過ぎてしまうと利子税がかかってしまうので、申告を終わらせる前に、納付するべき税金を概算して「見込納付(仮納付)」しておけば良い。