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債務免除益の源泉徴収で差し戻し
    -  組合から理事長への返済免除は給与に

  最高裁判所はこのほど、青果荷受組合が理事長に対して行った借入金債務の免除に係る源泉徴収義務の有無が争われた事件の上告審で、「本件債務免除益は給与に該当せず、源泉徴収義務はない」として課税処分を取り消した原審を破棄し、広島高裁に審理を差し戻した(平成26年(行ヒ)第167号)。
  債務免除当時、理事長Aの年収は約3,700万円、資産は約2億8,000万円であったが、組合からの借入金が約48億円と多額であり、広島高裁は、債務免除の主たる理由は「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難」であったためと判断し、給与等には当たらず、源泉徴収義務はないとしていた。

<判決の要旨>
  本件事実関係によれば、理事長Aは、青果荷受組合(被上告人)から長年にわたり多額の借入れを繰り返し、有価証券の取引に充てるなどしていた。被上告人がAに対してこのように多額の貸付けを繰り返したのは、Aが被上告人の理事長及び専務理事の地位にある者としてその職務を行っていたことによるものとみるのが相当である。また、被上告人がAの申し入れを受けて本件債務免除に応ずるにあたっては、被上告人に対するAの理事長及び専務理事としての貢献についての評価が考慮されたことが伺われる。これらの事情に鑑みると、本件債務免除益は、Aが自己の計算又は危険において独立して行った業務等により生じたものではなく、Aが被上告人に対し雇用契約に類する原因に基づき提供した役務の対価として、被上告人から功労への報償等の観点をも考慮して臨時的に付与された給付とみるのが相当である。
  したがって、本件債務免除益は、所得税法28条1項にいう賞与又は賞与の性質を有する給与に該当するものというべきであり、以上の理由から原判決は破棄を免れない。
  そして、本件債務免除当時にAが資力を喪失して債務を弁済することが困難であったか、Aの給与所得における収入金額に算入しない事情が認められるかなど、本件各処分が取り消されるべきものであるか否かにつき更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととする。

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