H23年税制改正の分離法案が成立
平成23年度税制改正法案として政府が提出していたもののうち、今月末に期限切れを迎える租税特別措置法の延長や寄付金税制の拡充等について、「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」として分離され、6月22日に参議院本会議にて賛成多数により可決成立しました。
所得税関係では、年金受給者の申告手続の簡素化が図られ、公的年金等の収入金額が400万円以下であるものが、他の所得金額が20万円以下であるときは確定申告書を提出しないことができるとされました。また、認定NPO法人に寄付をした場合の特別控除の制度が創設され、寄付金税制の拡充が図られています。
法人税関係では、中小企業者等の法人税率の特例や事業基盤強化設備等を取得した場合等の特別償却又は特別税額控除、エネ革税制の即時償却の期限延長などつなぎ法案で延長されていた租税特別措置法の規定が期限延長になっています。
他方、今年度の税制改正の目玉として法案に盛り込まれていた法人税実効税率の5%引き下げや、相続税の基礎控除及び税率構造の見直し、地球温暖化対策のための課税の特例(環境税)の創設といった税制の根幹に関わる部分については、来年度の改正に先送りされることとなりました。
3月に発生した東日本大震災を受け、その復興予算をどのように手当てしていくのか、税制改正の動きには引き続き注目していく必要があるでしょう。
詳細は、下記リンクをご確認下さい。
第177回国会における財務省関連法律
http://www.mof.go.jp/about_mof/bills/177diet/index.htm#sy5