平成22年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況等について
税庁から、平成22年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況等が公表されています。
これによれば、所得税の提出人員は2,315万人で、前年比2.2%減少し2年連続の減少となっています。納税人員、所得金額、納税額いずれも減少したことから、景気低迷の影響を感じさせる結果になっています。還付申告は1,267万3千人で、平成16年分以来の減少となっています。株式等の譲渡所得については申告人員・有所得人員は増加したものの、所得金額は減少しました。譲渡損失の繰越控除の適用を受けるために申告書を提出するケースが年々増加しています。
個人消費税については、申告件数は前年比5.3%減、納税申告額は前年比4.4%減となっており、これで5年連続でいずれも減少する結果になりました。
贈与税については、暦年課税の贈与税の申告人員・納税人員・申告納税額がそれぞれ前年比19.4%増、6.4%増、35.8%増と大きな伸びを示しました。この伸びをもたらした要因は、住宅取得等資金の非課税の特例にあると考えられます。制度拡充により、平成22年度については、一定の要件を満たせば直系尊属から1,500万円まで住宅取得等資金の贈与を非課税とすることができました。平成21年度までは金額が上限500万円だったことを考えると、使い勝手が良くなりました。平成22年度に同特例を適用しての申告人員は7万1千人(前年比73.8%増)、住宅取得等資金の金額は7,765億円(前年比110.6%)、非課税の適用を受けた金額は7,199億円(前年比275.4%増)と大幅に伸びる結果になりました。
その一方、相続時精算課税による贈与税申告は申告人員(前年比24.7%減)、納税人員(前年比14.2%減)、申告納税額(前年比10.1%減)といずれも減少しています。
e-Taxを中心とするITを利用した所得税の確定申告書の提出人員は1,039万6千人と増加し、提出人員に占める割合は44.9%まで拡大しています。自宅等でのIT利用の電子申告も、税務署等でのIT利用の電子申告も共に増加しています。今後も、この傾向は続くものと思われます。
詳細は、下記リンクをご確認下さい。
平成22年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況等について(国税庁)
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2010/kakutei_jokyo/index.htm