29年分から変わる医療費控除の手続き
- 領収書提出に代わり明細書の添付が必要
平成29年度税制改正では所得税の医療費控除の見直しが行われ、これまで医療費控除の適用を受けるために必要だった医療費等の領収書の添付又は提示に代えて、29年分確定申告から「医療費控除の明細書」の添付に変更された。これを受けて国税庁では、29年分所得税確定申告における還付申告開始となる30年1月まで3ヵ月を切ったことから、「医療費控除の明細書」の添付の周知を行っている。
国税庁は、今回の医療費控除に関する改正のポイントとして医療費控除の明細書の添付が必要になったことと共に、確定申告期限等から5年間、医療費の領収書を保存する必要があり、税務署から求められた場合には提示又は提出する義務があることに注意を促している。
また、医療保険者から交付を受けた医療費通知書(健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ」など)を添付することで明細の記入を省略できることを説明している。
医療費控除を適用できる一定の医療費通知書等については、健康保険法施行規則等や所得税法施行規則の一部改正により、(1)被保険者(又はその被扶養者)の氏名、(2)療養を受けた年月日、(3)療養を受けた者の氏名、(4)療養を受けた病院、診療所、薬局その他の者の名称、(5)被保険者又はその被扶養者が支払った医療費の額、(6)保険者の名称、の6項目を記載したものに限られる。
そのほか、今回の医療費控除の見直しには経過措置として、平成29年分から31年分までの確定申告については、これまでの医療費の領収書などを確定申告書に添付するか、確定申告書を提出する際に提示することも認められていることを説明している。
なお、今年1月からスタートしている新医療費控除のセルフメディケーション税制についても、医薬品購入費の領収書に代えて明細書を添付することになるが、同様の経過措置がある。