総額8312億円にのぼる法人の申告漏れ
- 1件当たりの申告漏れ所得は888万円
国税庁が公表した今年6月までの1年間(平成27事務年度)における法人税調査事績によると、大口・悪質な不正計算が想定されるなど調査必要度の高い9万4千法人(前年度比1.6%減)を実地調査した結果、うち約73%に当たる6万9千件(同0.9%減)から2年連続の増加となる総額8312億円(同1.0%増)の申告漏れを見つけた。追徴税額は1592億円(同6.7%減)。調査1件当たりの申告漏れ所得は888万円(同2.6%増)となる。
調査した19.7%(不正発見割合)に当たる1万8千件(前年度比0.4%減)が故意に所得を仮装・隠ぺいするなどの不正を行っており、その不正脱漏所得は前年度比6.8%減の2374億円で2年ぶりに減少。1件当たりでは同6.5%減の1285万円となった。
また、法人消費税については、法人税との同時調査で9万件(同1.3%減)の実地調査を実施。うち、5万2千件(同0.1%減)に非違があり、税額565億円(同25.1%増)を追徴した。
不正を業種別(調査件数350件以上)にみると、不正発見割合の高い10業種では、「バー・クラブ」が66.3%で14年連続のワースト1位。「バー・クラブ」は、近年25年間で24回1位(唯一平成13年度がワースト2位)という不名誉な記録を持つワースト業種の常連。
以下、前年ランク外の「大衆酒場、小料理」(43.1%)、同2位の「パチンコ」(32.7%)、同8位の「自動車修理」(29.3%)、同4位の「廃棄物処理」(28.9%)の順で続く。
また、1件当たりの不正所得金額が大きい10業種では、「民生用電気機械器具電球製造」が7608万円で前年ランク外から1位、次いで、ランク上位常連の「パチンコ」(4895万円)が2位、以下、「水運」(3836万円)、「輸入」(2849万円)、「自動車・同付属品製造」(2478万円)、「産業用機械製造」(2221万円)と続く。不正発見割合でワースト1位の「バー・クラブ」は1439万円、2位の「大衆酒場、小料理」は610万円でともにランク外だった。