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事業承継税制における雇用確保要件の緩和

    平成21年度税制改正で創設された事業承継税制は、先代経営者の後継者である相続人等が、経済産業大臣の認定を受けた非上場会社の株式等を先代経営者から相続又は贈与により取得して経営を引き継ぐ場合、一定の要件を満たすことで、その株式等に係る課税価格の80%分(贈与は全額)の相続税、贈与税の納税が猶予される制度です。
  とても期待されていた制度でしたが、適用要件の厳しさや手続きの複雑さなどから利用者は増えず、適用開始の平成20年10月から平成24年11月までの約4年間において、納税猶予の適用に必要不可欠である経済産業大臣の認定を受けた企業は、566件(相続税390件、贈与税176件)でした。
  そこで、より多くの中小企業が活用できる制度を目指して、平成25年度税制改正で手続きの簡素化や適用要件の緩和、利子税の負担軽減など、事業承継税制が抜本的に見直されることになりました。
  改正事項には、特に見直しへの要望が大きかった5年間の雇用確保要件(雇用の80%以上確保)の緩和も盛り込まれています。

    現行の事業承継税制では、適用要件の一つに経済産業大臣の認定の有効期間(当初5年間)中の雇用80%維持が求められており、1年ごとの基準日における常時使用従業員数が、贈与時・相続開始時の常時使用従業員数の80%を下回った場合には、その時点で納税猶予の取消事由に該当し、猶予税額全額と利子税を納付しなければなりません。
  景気変動などでやむなく一時的に雇用を維持できなくなったような場合であっても特別な配慮はされず、1年でも基準日に80%を下回ってしまえば即、納税猶予が取消しとなるため、そのリスクを懸念して利用を見送る中小企業経営者もいました。

  この度の平成25年度税制改正では、納税猶予の取消事由に係る雇用確保要件について、経済産業大臣の認定の有効期間(5年間)中の各年の判定基準日における常時使用従業員数が、贈与時・相続開始時における常時使用従業員数の80%を下回る年があったとしても、5年間の常時使用従業員数の“平均”が80%を下回らなければ納税猶予の取消事由に該当せず、引き続き適用を受けられるようになります。
  この改正は、平成27年1月1日以後に相続もしくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用されます。
  なお、現行の事業承継税制の適用を受けている経営承継受贈者、経営承継相続人等については、選択により改正事業承継税制の適用が認められます。


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