政府税制調査会による復興税制改正大綱が決定
平成23年10月11日、政府税制調査会は「東日本大震災からの復興のための事業及びB型肝炎対策の財源等に係る税制改正大綱」を決定しています。
この大綱を基に税制改正法案が作成され、現在開催中の臨時国会(~平成23年12月9日)で提出・審議される予定です。
大綱は、(1)復興に必要な財源確保のための臨時的な税制措置と、(2)継続審議中であった平成23年度税制改正法案の修正で構成されています。
(1)では、国税では復興特別所得税、復興特別法人税、復興特別たばこ税の新設が、地方税では個人住民税の均等割税率の引上げ、地方たばこ税の税率の引上げが示されています。
・復興特別所得税は、平成25年から平成34年までの10年間、所得税額の4%を課税
・復興特別法人税は、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度に法人税額の10%を課税
・復興特別たばこ税は、24年10月から34年9月までの間、たばこ1本につき1円を課税し、地方たばこ税(24年10月から29年9月まで)と
合わせて5年間は1本あたり2円の増税。
・個人住民税は、均等割の税率を平成26年度分から平成30年度分まで年額500円引上げ、年額4,500円に
(2)では、国税通則法の抜本改正については納税者権利憲章の策定等が見送られるなど取扱いが大きく変更していますが、そのほかは主に改正事項の適用開始時期の修正です。
主な内容は、以下です。
・個人所得課税の給与所得控除の上限設定、成年扶養控除の見直しに係る源泉徴収は、平成24年7月1日から適用開始
・法人税率の引下げ等は、平成24年4月1日以後開始する事業年度から施行
・相続税の基礎控除の引下げと税率構造等の見直しは、平成24年1月1日から施行
・贈与税の税率構造の緩和と相続時精算課税制度の対象の拡大は、平成24年1月1日から施行
自民党の税制調査会は、平成23年度税制改正法案の積み残し部分について修正含みで検討していく方針を明らかにしていますので、今後の国会審議の行方が注目されます。
※参考「東日本大震災からの復興のための事業及びB型肝炎対策の財源等に係る税制改正大綱」
http://www.cao.go.jp/zei-cho/etc/2011/__icsFiles/afieldfile/2011/10/11/231011houkoku.pdf