交際費等の範囲から除くことができる5,000円以下の飲食費
交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入れ先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいいます(租法61の4③)。ただし、福利厚生費、少額飲食費、少額広告宣伝費、会議費、取材費その他主として寄附金、値引き及び割戻し、広告宣伝費、福利厚生費、給与等の性質を有する費用は交際費等から除かれます(租法61の4③、租令37の5、租通61の4(1)-1)。
この交際費等から除かれる少額飲食費に該当するのは、飲食その他これに類する行為のために要する費用(もっぱらその法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)であり、その支出する金額を参加者の数で割って計算した金額が5,000円以下で、一定の事項を記載した書類を保存している場合に限ります。
それでは、以下の費用はどのように取り扱うのでしょうか(いずれも1人当たりの金額は5,000円以下とします)。
1)取引先の行事の開催に際して、弁当等を差し入れる費用
2)飲食店等での飲食後、その店の飲食物をお土産として持ち帰る費用
3)取引先の従業員等を飲食店等へ送迎する費用
1)については、いわゆる飲食行為ではありませんが、飲食に「類する行為」と考えられます。したがって、1人当たりにして5,000円以下の金額であれば、交際費等の金額から除かれることになります(租法61-4(1)-15の2)。なお対象となる弁当は、取引先において、差入れられた後相当の時間内に飲食されることが想定できるものを前提としていますので注意が必要です。
2)については、こうしたお土産代をその飲食店に支払う行為も飲食に「類する行為」に該当します。しかし、相応の時間内に飲食するかどうか明確でないため、税務上の取り扱いは、相応の時間内に飲食されることを想定できるか否かに関わらず、飲食等に付随して支出した費用については、その飲食等に要した費用に含めて差し支えないとしています(租通61の4(1)-15の2(注)ただし書き)。
3)については、本来、接待・供応に当たる飲食等を目的とした送迎という行為のために支出したものです。通常、飲食等のために直接飲食店等に支払うものではないため、支出の性格から、その送迎費自体が交際費等に該当します(租通61の4(1)-15(11))。なお、交際費等の範囲から除かれることとされる1人当たりの費用の額の算定に当たっても、飲食費に加算する必要はありません。