平成22年10月1日以後における純資産価額方式の計算
取引相場のない株式等を評価する場合の純資産価額方式は、次の算式により計算します。
この「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」は、「相続税評価額による純資産価額」から「帳簿価額による純資産価額」を控除した残額に、法人税率等の合計割合を乗じた金額になります。
法人税額等相当額をこのように控除するのは、株式の所有を通じて会社の資産を所有する株主と、事業用資産を直接所有する個人事業者とでは所有形態が異なるので、両者の事業用資産の所有形態を経済的に同一条件に置き換えて評価の均衡を図る必要があるためです。
平成22年度の税制改正により、法人税法における清算所得課税が廃止され、解散から清算結了までの間についても、通常の所得金額に対する課税が行われることになりました。それに伴い、上記の純資産価額方式の計算に用いる法人税率等の合計割合も42%から45%に改正されることになりました。
すなわち、法人が解散し、その直後に全ての残余財産の確定・分配が行われた場合、これまでは解散時の残余財産の価額に清算所得の税率(27.1%)が掛けられていましたが、改正により平成22年10月1日以後の解散から通常の法人税率(30%)が適用されることになったため、この3%(27.1%→30%)の増加分が純資産価額方式の計算に用いる法人税率等の合計割合(42%→45%)にも反映された形となっています。
この法人税率等の合計割合を45%とした純資産価額方式の計算は、平成22年10月1日以後の相続、遺贈又は贈与により取得した取引相場のない株式等の評価から適用されます。