定期金に関する評価の変更-平成22年度税制改正-
国税庁より、定期金に関する権利の評価が変更されたことに関する案内が公表されています。
平成22年度税制改正による措置ですが、今回の改正により相続税・贈与税における定期金に関する権利の評価に影響が出ることになります。
今回の改正で大きく影響を受けるものは、年金払い(一定期間に一定額の支払いを受けるもの)により保険金等の定期金の支払を受ける契約のものになります。従来、これらの定期金に関する権利の評価は残存期間に応じ、給付金額総額の20%から70%で評価するものとされていました。今回の改正により、解約返戻金や一時金相当額などの時価で評価することとされ、相続税・贈与税の増税につながることになります。
今回の改正が行われた背景には、最近の超低金利時代と平均寿命の伸びの影響から、評価額と時価に大きな乖離が発生していることから、評価の適正化を図ることで公平な課税を実現しようとする意図があるようです。
なお、経過措置として平成22年3月31日以前に締結された定期金に関する権利については、改正前の評価方法を採用することが可能になっています。その一方で、仮に平成22年3月31日以前に契約していても、平成22年4月1日以後に受取人の変更等の軽微な変更とは認められない変更を行った場合は、その変更があった日に新たに契約されたものとみなすとされたことから、すでにこの規定が適用される現在においては注意が必要になります。
相続対策上活用されてきた手法の一つをこの改正により失うこととなりましたが、次年度以降の税制改正においても相続税はその議題とされることが想定されることから、今後の動きにも注目する必要があるでしょう。
詳細は、こちらからご覧下さい。
定期金に関する評価の変更(国税庁・PDF)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sozoku/pdf/teikikin.pdf