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過少申告加算税の賦課決定処分で判決
    -  -旧通達による申告は「正当な理由」に

  最高裁判所はこのほど、匿名組合員の所得区分を示した所得税基本通達36・37共‐21の改正前に生じた損失を、旧通達に沿って申告したことが、国税通則法65条4項の「正当な理由」に該当するか否かを巡り争われた裁判で、国側の過少申告加算税の賦課決定処分は違法であるとして、その取り消しを命ずる判決を行った(平成24年(行ヒ)第408号、平成27年6月12日判決)。
  所得税基本通達36・37共‐21は、平成17年に改正されており、旧通達では、匿名組合員が営業者から受ける利益の分配に係る所得区分を、原則「事業所得又はその他の各種所得」としていたが、改正後は「雑所得」に改められている。
  今回の争いは、通達改正前に生じた「航空機リース事業に係る匿名組合契約に基づき分配された損失」を、旧通達に沿って「不動産所得」に係る損失として他の所得と損益通算して申告していた匿名組合員に対して、国側が「雑所得」に該当するとして損益通算を否認するとともに過少申告加算税の賦課決定処分を行ったことによるもの。
  旧通達に沿って申告したことが、過少申告加算税が例外的に課されない「正当な理由」に該当するか否かが争点となったが、東京高裁では、通達改正前も、実務上、匿名組合員の所得を雑所得とする例も多かったことから、旧通達により画一的な運用がされていたわけではなく、通達改正により、従前の行政解釈が変更されたものとは認められないと判断していた。
  これに対し、最高裁は、「旧通達と新通達では、原則的な取扱いや具体的な適用場面の帰結を異にするもので、通達改正により、課税庁の公的見解が変更されたものというべきである。通達改正前に生じた損失を、旧通達に沿い「不動産所得」とし、損益通算して申告したことは、真に納税者の責めに帰する事のできない客観的な事情があり、過少申告加算税を賦課することは不当又は酷になるため、国税通則法65条4項の「正当な理由」がある」との判決を下した。なお、本件所得区分については、最高裁も「雑所得」が相当であるとの判断を示している。

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